リスティング広告の費用相場は?予算の決め方や仕組みを紹介

リスティング広告の費用相場は業種や出稿する商品、サービスなどで変動しますが、中小企業ですと一般的に20万円〜50万円程度といわれています。しかし、相場よりも安い広告費で出稿しても問題はありません。

では、実際に自分たちが出稿する際にどのようにして費用を決めたら良いのでしょうか。
リスティング広告の費用が決まる仕組みから費用相場の決め方、費用対効果を高める方法などを解説します。

目次

リスティング広告の費用を決める仕組みは?

リスティング広告は、クリック課金制とオークション制の2つの仕組みで決められます。

クリック課金制とは

クリック課金制とは、広告がクリックされるたびに課金される仕組みです。
この仕組みの場合ですと、広告が表示されるだけでは費用は発生せず、実際にユーザーが広告をクリックした場合のみ費用がかかります。

クリック課金制は、実際にクリックされたことで費用が発生するため、広告の効果測定が比較的簡単に行えるというメリットがあります。広告を出稿する場合、広告がどれくらいクリックされたのか、コンバージョンはどれくらいあったのか、CPA(顧客獲得単価)はどれくらいだったのかを把握する必要があります。
リスティング広告のクリック課金制では、これらの数値をしっかりと把握することが可能です。

オークション制とは

オークション制とは、広告主が特定のキーワードに対して入札を行い、その入札価格に基づいて広告の掲載順位が決定される仕組みです。この入札価格とは、1回のクリックに対して広告主が支払うことができる「上限クリック単価」を指します。
ただし上限クリック単価が一番高額だったら必ず上位に表示されるわけではありません。広告の順番は「入札価格」と「品質スコア(広告文やランディングページなど)」を「広告ランク」として総合的に決められます。

リスティング広告の費用相場は?

リスティング広告の費用相場は、中小企業で20万から50万円程度と言われています。
しかし、この金額はあくまで相場なので、10万円以下の広告費用でも問題ありません。

リスティング広告は、広告を出したいキーワードを選択できるだけではなく、期間や性別、エリアなど細かく対象を絞り込むことができます。もし少額の広告費しか捻出できない場合は、30日間で予算を消化するよりも7日間など短期間で広告出稿をした方が成果が出やすい場合があります。

クリック単価は数十円から数百円がほとんどではありますが、1クリック数千円するキーワードもあるので予算を決める前にクリック単価も調べることをおすすめします。
リスティング広告の予算の決め方は次の項目で詳しく解説します。

リスティング広告の予算の決め方は?

リスティング広告の予算の決め方は主に以下の4パターンがあります。

  • 平均クリック単価を調べて決める
  • 目標CPAを設定して決める
  • 目標CV数を設定して決める
  • 広告代理店に相談して決める

平均クリック単価を調べて決める

平均クリック単価とは、1回のクリックで発生したクリック単価の平均金額です。この平均クリック単価を調べてから広告予算を決める方法があります。
平均クリック単価は、Googleが提供している「Googleキーワードプランナー」やキーワードツールなどを利用することで調べることが可能です。Googleキーワードプランナーは、Google広告のアカウントを持っている方なら、無料で誰でも利用することが可能です。

クリック単価が分かったら、目標とするクリック数をかけて予算を算出しましょう。

平均クリック単価:100円、目標クリック数:1,000回の場合
・100円(平均クリック単価)×1,000回(目標クリック数)=100,000円(広告予算)

目標CPAを設定して決める

CPA(Cost Per Action)とは、顧客獲得単価といい、一人あたりの獲得にかかった費用を指します。
CPAを計算する方法は、商品やサービスの販売価格から、原価を差し引くことで算出することができます。

提供サービス:10,000円、原価:4,000円
・10,000(提供サービス)−4,000円(原価)=6,000円(目標CPA)

目標CPAが決まったら、どれくらいの予約が欲しいかを決めます。
例えば、20人の予約が欲しい場合は、目標CPAの金額に人数をかけることで算出できます。

目標CPA:6,000円、目標予約数(目標CV数):20人
6,000円(目標CPA)×20人(目標CV数)=120,000円(広告予算)

目標CV数を設定して決める

CV(コンバージョン)数とは、広告をクリックしてサイトに訪れたユーザーが商品を購入したり、予約をするなどの成果の数をいいます。予算を決める際に、どれくらいの成果が欲しいのか決め、それを基準に予算を決定します。

計算方法は、目標CV数にCPA(1CVに発生する費用)をかけて算出します。

目標CV数:30件、CPA:6,000円
30件(目標CV数)×6,000円(CPA)=180,000円(広告予算)

広告代理店に相談して決める

初めてリスティング広告をする場合は、広告運用代理店に相談してみましょう。
広告運用の代理店なら、業界での広告予算の相場やクリック単価などの相場も把握していることが多いです。

希望的観測で目標CPAなどを決めてしまうと、広告を配信したときに大きく乖離してしまう場合があるので注意しましょう。実際に広告を配信することで、正確なCPAが算出されます。もし目標CPAに届かない場合は、目標CPAが適切なのか、広告設定やランディングページは問題ないのか見直しを行い改善するようにしましょう。

安全に運用するために撤退ラインを決めておく

リスティング広告を安全に運用するために、出稿金額を抑えるまたは配信を停止する撤退ラインを決めておきましょう。撤退ラインには主に目標CPAが使われるので、事前に設定することをおすすめします。

実際に出稿をした際に目標CPAに届かなかった場合、以下のことを意識して改善してみてください。

  • 広告設定は正しいか
  • キーワードは問題ないか
  • クリックしたくなる広告文になっているか
  • 広告文とランディングページに乖離はないか
  • ランディングページはCVしやすい作りになっているか

もし上記を改善しても成果に繋がらない場合は、商品やサービスに顧客ニーズがあるのか検討するようにしましょう。

リスティング広告の費用対効果を高める方法は?

リスティング広告の費用対効果を高めるには、以下のことを考えてみてください。

  • 広告の品質を高めて広告ランクを上げる
  • 除外キーワードを設定する
  • ペルソナを作って配信対象を明確にする
  • マッチタイプを設定する
  • ランディングページを作り込む

広告の品質を高めて広告ランクを上げる

広告ランクとは、ユーザーが検索した際に表示される広告の順位を決めるための数値のことをいいます。
この広告ランクは、「入札単価×広告の品質スコア+広告表示オプション」で決まります。

広告ランクが決まる仕組み

広告ランクが決まる仕組みを例をあげて紹介します。
例えば同じキーワードで広告出稿をしている「A社・B社・C社」があるとします。
それぞれの会社の入札額を「100円(A社)・150円(B社)・80円(C社)」、品質スコアを「5(A社)・3(B社)・7(C社)」とした場合、それぞれの広告ランクは以下のようになります。

スクロールできます
広告主入札単価品質スコア広告ランク順位
A社100円5100×5=5002位
B社150円3150×3=4503位
C社80円780×7=5601位

上記のように入札費用が一番高いからと言って、広告の品質スコアが低かったら掲載順位が一番になるとは限りません。広告の品質を高めることが重要となります。
広告ランクの詳しい解説は次の項目でします。

入札単価とは

入札単価とは、出稿した広告に対して1クリックいくらまで広告費を支払って良いか広告主が設定する金額です。
この入札単価は実際に出稿するとわかりますが、通常は最終的な支払い金額は入札単価よりも少なくなります。

この入札単価が低すぎると広告に表示されなくなってしまいますし、高すぎても費用対効果が合わない可能性があります。クリック単価の相場はGoogle広告内の「キーワードプランナー」で確認することができます。

品質スコアとは

品質スコアとは、広告やキーワード、ランディングページを含めて広告全体の品質を表す指標のことをいいます。
この品質スコアが高いほど、広告費用をおさせて上位の表示が可能になります。
この品質スコアは「推定クリック数」「広告の関連性」「ランディングページ(LP)の利便性」を10段階で評価して決まります。

  • 推定クリック数:広告がどれくらいクリックされるかを推定した指標です
  • 広告の関連性:キーワードと広告文に関連性があるかを確認します
  • ランディングページ(LP)の利便性:キーワードとリンク先のLPに関連性があるかを確認します

除外キーワードを設定する

除外キーワードとは、特定のキーワードでは広告を表示させないようにする機能です。
除外キーワードを設定することで、意図しないキーワードでの広告表示などされてしまうことがあります。
また、運用していくとコンバージョンに繋がらないキーワードが分かってきます。
コンバージョンしないキーワードは除外することで、適切なターゲットに広告を配信して費用対効果を高めることが期待できます。

ペルソナを作って配信対象を明確にする

リスティング広告で失敗しないためには、しっかりとペルソナを作ることが大切です。
ペルソナを明確にすることで、コンバージョンしないターゲットへの配信を防ぐことが可能になります。
例えば女性向けサービスなのに、男性にも広告配信をしていたらコンバージョンするはずがありません。
他にも美容院などの特定エリアでサービスを行っているにも関わらず、日本全国に配信してもコンバージョンしないことは分かるでしょう。

ここまで分かりやすい設定ミスはそこまでありませんが、リスティング広告では配信する時間帯なども設定できるためターゲットの行動を予測して配信するなどをして精度を高めることができます。

マッチタイプを設定する

リスティング広告のマッチタイプとは、「登録したキーワードを表示させる際に、ユーザーの検索キーワードとどの程度の一致を求めるか」を指定できる機能です。

キーワードのマッチタイプ

キーワードのマッチタイプには、「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類があります。

部分一致とは

部分一致とは、登録されたキーワードに関連した検索キーワードであれば表示される可能性がある設定です。
例えば「女性用 トリートメント」で入稿をしている場合、「女性用」「女性用 シャンプー」「トリートメント シャンプー」などの検索キーワードでも表示される可能性があります。

部分一致のマッチタイプは、どのキーワードを設定したら良いか分からない、想定していなかったキーワードを知りたいという方におすすめです。ただし、あまりにも意図と関係ない検索キーワードにも表示される可能性があるため、こまめに確認をして除外キーワードの設定などしましょう。

フレーズ一致とは

フレーズ一致とは、登録されたキーワードと同じ意味を含む検索キーワードで表示される設定です。
例えば「女性用トリートメント」で入稿している場合は、「女性用 トリートメント」「女性用 さらさら トリートメント」「女性用 しっとり トリートメント」などの検索キーワードで表示されます。

フレーズ一致は、「トリートメント さらさら」のようにビッグワードである「トリートメント」に商品の強みとなるキーワードを掛け合わせて登録すると良いでしょう。商品の強みに関連するキーワードでも表示されるようになるため、ユーザーが求めている情報に広告を届けやすくなります。

完全一致とは

完全一致とは、登録されたキーワードとユーザーの検索キーワードが全て一致した際に表示される設定です。
例えば、「トリートメント さらさら」でキーワードを登録した際は、ユーザーの検索キーワードも一緒にならないと表示されません。

完全一致は、ブランド名や社名などのキーワードで登録したり、フレーズ一致や部分一致でコンバージョン率の高かったキーワードを完全一致にすると良いです。ただし、キーワードの拡張性がないため、コンバージョンすると確信がない状態では設定しない方が良いでしょう。

ランディングページを作り込む

リスティング広告はクリックされてゴールではなく、最終的にランディングページでコンバージョンさせなくては売り上げにつながりません。ランディングページのコンバージョンが少ないと、広告費ばかりを出してしまいCPAが高騰してしまいます。

これを防ぐには、コンバージョンするランディングページを作成する必要があります。
コンバージョン率の高いランディングページですと、その分CPAを下げることができて費用対効果を高めることが可能です。

ランディングページを作り込む際は、構成を見直したりボタンの色や配置の変更、キャッチコピーや文章・画像の変更などを行いましょう。

まとめ

リスティング広告の費用について解説しました。
広告費用は業種やサービスの内容によっても変わりますし、どれくらいの成果が欲しいかなどによっても変わります。
どれくらいの広告費を出せるのか、リスティング広告を出すことでどれくらいの成果を出したいのかを考えてから予算を決めるようにしましょう。

参考になったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次